死後の手続きの期限一覧 ― 7日・14日・3か月・4か月・10か月で区切って確認する
公開日:2026年8月17日一次資料の最終確認日:2026年9月6日
先に押さえる3つ
- 7日以内:死亡届。これを出さないと火葬許可が下りないため、実際にはご葬儀の前に済ませることになります。
- 3か月以内:相続放棄・限定承認。借金があるかもしれない場合、ここを過ぎると選択肢が狭まります。最も見落とされやすい期限です。
- 10か月以内:相続税の申告。該当する方だけですが、期限が動かせません。
期限のある手続きの一覧
| 期限 | 手続き | 窓口・根拠 |
|---|---|---|
| 7日以内 | 死亡届の提出 (国外で亡くなられた場合は3か月以内) |
市区町村の窓口/戸籍法第86条 |
| 10日以内 | 厚生年金の年金受給権者死亡届 (マイナンバー収録済みの場合は原則省略可。未支給年金の請求は別手続きで、法令上の期限はありません) |
年金事務所・年金相談センター等 |
| 14日以内 |
|
|
| 3か月以内 | 相続放棄・限定承認の申述 | 家庭裁判所/民法第915条 |
| 4か月以内 | 準確定申告(亡くなった方の所得税) | 税務署/国税庁タックスアンサーNo.2022 |
| 10か月以内 | 相続税の申告・納付 | 税務署/国税庁タックスアンサーNo.4205 |
| 3年以内 | 相続登記の申請 (令和6年4月1日から義務化) |
法務局/不動産登記法第76条の2 |
※ この表は代表的なものです。加入していた制度・お住まいの自治体・お持ちの財産によって、必要な手続きも期限も変わります。ご自身のケースに当てはまるかは、各窓口でご確認ください。
「いつから数えるか」が手続きごとに違う
期限を数えるときに間違いやすいのが起算日です。すべてが亡くなった日から数えるわけではありません。
- 死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内です(戸籍法第86条)。亡くなった日ではなく、知った日から数えます。
- 相続放棄・限定承認は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内です(民法第915条)。疎遠だった親族の相続では、亡くなった日よりずっと後になることがあります。
- 準確定申告は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です。
- 相続税の申告は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月目の日が期限です。
- 相続登記は、相続により所有権を取得したことを知った日から3年以内です(不動産登記法第76条の2第1項)。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となることが定められています。
起算日がいつになるかは、個別の事情によって判断が分かれることがあります。期限が迫っている場合や、いつから数えるか迷う場合は、早めに家庭裁判所・税務署・専門家(弁護士・司法書士・税理士)にご相談ください。
3か月の期限をとくに注意する理由
相続では、財産だけでなく借金も引き継ぎます。借金のほうが多い場合に選べるのが相続放棄ですが、これには3か月という期限があります。
問題は、この3か月がご葬儀・初七日・四十九日と重なることです。手続きどころではない時期に、いちばん取り返しのつかない判断の期限が来ます。次のような場合は、他の手続きより先に確認を始めてください。
- 故人に借入や保証債務があったかどうか分からない
- 事業をされていた
- 連絡が取れていない相続人がいる
- 相続財産の全体像が把握できていない
なお、相続財産の一部を使ってしまうと、放棄が認められなくなる場合があります。判断がつくまでは、故人の口座や財産に手をつけないでおくのが安全です。
期限が決まっていないもの(急がなくてよいもの)
逆に、法令上の明確な期限がないものもあります。これらは、上の表の手続きが落ち着いてからで構いません。
- 健康保険・介護保険・後期高齢者医療の資格確認書などの返却(市区町村に死亡届が提出されれば資格は喪失するため、届出は原則不要と案内する市区町村が多く、証の返却だけが必要です。案内は自治体により異なります)
- 公共料金・通信・サブスクリプションの名義変更や解約
- 各種会員資格の退会
- 遺品の整理
- お墓・納骨の準備
- 遺産分割協議そのもの(ただし相続税の申告期限との関係で、実務上は10か月が目安になります)
「全部を今週中に」と考えると動けなくなります。期限のあるものと無いものを分けるだけで、進め方がはっきりします。
どう進めるか
- まず死亡届を出す。火葬許可につながるため、実務上はここが最初です。葬儀社が代行してくれる場合もあります。
- 死亡診断書のコピーを複数取っておく。後の手続きで繰り返し使います。
- 3か月の期限に関わる情報から集める。借入の有無、通帳、郵便物を確認します。
- 市区町村の窓口でまとめて相談する。住民票・保険・介護・年金など、市区町村で完結するものは一度に案内してもらえることが多くあります。
- 税と登記は期限が長い代わりに準備に時間がかかる。該当しそうなら、早めに税務署・法務局・専門家に相談してください。
幕引きコンシェルジュでは、亡くなられた日を入力していただくと、この期限を実際の日付に置き換えた手続きリストをお作りします。登録・ログイン・個人情報の入力は必要ありません。作った一覧はカレンダー形式などで保存して、ご家族と分担することもできます。
自分の日付で手続きリストを作る個別のご事情への当てはめ・法律判断・税額計算は行っておりません。実際のお手続きは各所管の窓口や専門家にご確認ください。
参照した公的資料
- 戸籍法(昭和22年法律第224号)/e-Gov法令検索(第86条=死亡届の期間)
- 住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)/e-Gov法令検索(第25条=世帯変更届)
- 民法(明治29年法律第89号)/e-Gov法令検索(第915条=相続の承認・放棄の期間)
- No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)/国税庁
- No.4205 相続税の申告と納税/国税庁
- 相続登記の申請義務化について/法務省(3年以内・過料)
- 年金の受け取りに関する届出・手続き/日本年金機構(受給権者が亡くなったときの手続きの確認先)
- 国民健康保険法施行規則(昭和33年厚生省令第53号)/e-Gov法令検索(第3条=法第6条各号のいずれにも該当しなくなった者に係る資格取得の届出=14日以内)
※ 健康保険・介護保険・後期高齢者医療の資格確認書などの返却は、市区町村に死亡届が提出されれば資格は喪失するため届出は原則不要と案内する市区町村が多く、法令上の期限の定めもありません。返却の要否・時期・必要書類は自治体によって取扱いが異なるため、本ページでは特定自治体のURLを固定掲載していません。お住まいの市区町村の公式ページでご確認ください。
本ページは、法令および国が公開している資料にもとづく一般的な情報のご案内です。個別のご事情への当てはめ・法律判断・税額計算は行っておりません。期限の起算日や、ご自身に必要な手続きの範囲は、事情によって変わります。実際のお手続きは、市区町村・家庭裁判所・税務署・法務局などの各窓口、または弁護士・司法書士・税理士等の専門家にご確認ください。